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2017年10月13日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.7 さよなら東北キャンパー編(最終回)

10/09(月)休暇村気仙沼大島キャンプ場




最終日の朝はなんだかさびしいものだ。

ここで聞く波の音も聞き納め。空が赤から青に変わっていく。



師匠も起きてきたようだ。


昨夜、他の東北釣りキャンパー達は「明日の朝まづめにリベンジしなくちゃね!」と意気込んでいたが

※(朝まづめ:空が明るくなりだした頃から日の出迄の時間。魚の食いがよくなる釣りのゴールデンタイム。)


サイト脇の駐車場には全員の車が並んでいた。なんだそりゃ。



師匠から自家焙煎コーヒーをいただき香りを楽しんでいると、他のみんなも眠い目をこすりながらタープ下に集まってきた。





手羽家が炊飯専用のストウブで米を炊いてくれている。こだわるねぇ。笑


しかし劇団家シェフはその横で困った顔をしていた。

聞けば「朝食の具材が無い」と言う。


この人、本気で釣りで賄えると思っていたのだろうか。笑


まだカツオが1本残っているのを思い出しシェフに渡すと

手際よくカツオの煮物、どんこ(手羽さん・オリさんが釣った)とネギの味噌汁を作ってくれた。




朝食後、和やかな時間が過ぎていく。


劇団家奥さまの顔からも昨日の険は消え、普段の優しい顔に戻っていた。





私は復路が長距離になるので帰りのフェリー時間を早めの10:40にしていた。

談笑中も私だけは焚き火台やフィールドラックなどをコソコソ片付けていたのだが

他のみんなはそんなそぶりも見えない。

むしろこれからまた宴会が始まりそうな勢いだ。



私は悩んでいた。


この雰囲気の中「タープを片付けたいのですが・・・」などと言いだしていいのだろうか。


私が1番最初に帰るコトはみなさん承知しているハズなのだが

日は照っているし会話は私の帰宅時間などお構い無しに弾んでる。


仕方なく車に乗ってみなさんに聞こえないようにフェリー会社へ連絡、時間を12:40に変更した。






タープ以外はほとんど片付けてイスに戻り

みなさんのあまりののんびりさはベテランキャンパーゆえの余裕なんだなと関心していたが


まだまだ会話も続きそうな雰囲気に多少不安になって


「あの〜ここってチェックアウト何時なの?」

とボソッと投げかけてみたが



オリ家:「?」


劇団家:「ああ、手羽さんが知ってる。」


手羽家:「さぁ・・・。」



しまったあああ!!!

この野良キャンパーどものキャンプ場概念は「イン・アウトフリー」が標準だったのだ!汗


時間は10:00。私が撤収を促すと仕方ねぇなぁみたいな感じで撤収作業にとりかかってくれたが




30分程度であっという間に終わってしまうところはさすがと言えよう。(後で調べたらアウト時間は11:00でした。)






撤収後だが私には最終ミッションが残されていた。

それは「積込完了!」の画。彼が隠す禁断の1枚をスクープするコト。





めろんとりんごで誘き寄せ、フラフラと近づき気を逸らせているスキに・・・









イエ〜〜〜ィ!空・前・絶・後の〜ナチュログ初公開!!!


これが師匠の「後ろが見えませ〜ん!」だ!!!笑


もしかしたらこの光景を見るのも最後かもしれない。ありがとう師匠、いや劇団にひきさん。

貴方のフィールドでの勇姿はきっと忘れない。







そして手羽さん、手羽姉さん。素晴らしい景色のキャンプ場と数々の料理をありがとう!

オリさん、撤収後ビニール袋片手に細かなゴミを拾ってくれていた姿は忘れません。今度は隣の席に座らせてください!邪魔でなければ。笑


めろん&りんごもたくさん可愛がってもらい

めろんも1歳誕生日キャンプを楽しめたことだろう。





みなさん本当にありがとうございました。

すごくいいキャンプでした!




自然豊富な東北の離島にある気仙沼大島キャンプ場。

東北・三陸の素晴らしいキャンプ場を知り、東北キャンパーの優しさに触れ、美味い料理に酔いしれた。

ここもまた生涯忘れられないキャンプ場になった。


この場にいられたコトに感謝します。みなさんと妻にありがとう!






三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ・完






ご高覧いただきましてありがとうございました。Suika



act.1 出撃準備編
act.2 情報収集編
act.3 出陣前夜編
act.4 雨の気仙沼大島編
act.5 困惑のグルキャンナイト編
act.6 本日の主役はテンマクタープ!前編
act.6 本日の主役はテンマクタープ!後編




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2017年10月12日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.6 本日の主役はテンマクタープ!後編

こんなにのんびりとした時間のキャンプ場なんていつ以来だろう。





私は焚き火に薪をくべながら秋鮭焼いたり




北海道土産の昆布巻きチーズなどを酒のつまみに師匠へ。

師匠からは薄めのコーヒーカクテルが妻へ。





先日の記事で紹介されていた「Fテーブル」。

「ウィスキーを楽しむならグラスとアッシュトレイとマルボロを(天板に)置いたらそれで終わり。

そもそもそれでいい。」

なんて言ってはいるが、天板には全然納得していないコトや

実はそんなに釣りは・・・みたいな

ブログだけではわからない(言えない)本音がバンバン飛び交い

私は昨夜の困惑のグルキャンナイトを切々と語り

タープ下にはインテリジェンスの欠片も無い笑いが途切れるコトなく緩い時間が流れていた。





11:00をまわった頃だろうか

話しはこれから迎える年越しキャンプに及んだその時

横に座っていた師匠が急に真顔になった。

「実は・・・。」


私はある話を聞かされ言葉を失った。横で聞いていた妻は顔をあげられない。

それは読者のみなさんも大晦日には知らされるコトなのだろうが

もしかしたらその時私は師匠を非難する側に立ってしまうのではないかという思いがよぎる・・・。


でも今は考えまい。

こんなに素敵なキャンプを一緒に楽しんでいるではないか。


しかしなんということだ。もうこんな素敵な時間を共には過ごせないとでもいうのだろうか・・・。






師匠と妻は各々のテントで昼寝タイムとなり、潮騒のフリーサイトに私1人。




手持ちぶさたに市場で買ったフカヒレスープに卵を落としてみたり




周辺を片付けていたりしたが、先ほどの師匠からの話がどうしても気になってジっとしていられない旅キャンパー。

夜の氷も買っておくかと昨日の雨のリベンジと気分転換を兼ねて島内ドライブに出てみた。





田舎町の風景とも違うし洗練されたリゾート地とも違う。




秋の連休だというのに休暇村の敷地を出たら人を見かけるコトがないくらい閑散とした感じだけど

その分目に写る海は素晴らしい。




お〜なんだか昨日の雨の中見た海とは違うな〜!





うん、いい堤防だ。アイナメ釣れるかな。





【小田の浜海水浴場】

こんな景色を見ずして帰るわけにはいかない。明日は妻も連れてこよう。






キャンプ場に戻るとトワイライトショーが始まる時間。

午前中ボウズの奥方は1度戻ってテントでひと眠り後また釣り場に向かうと準備している。

藩主と行く行かないの午前中と同じような問答を繰り返した後、

「もう!ホントに釣れても食べさせてあげないからね!」とまた捨てセリフを残し家臣たちを従えて夕闇の釣り場に向かった。

なにが彼女を動かしているのだろう。


藩主はカーミットに座り静かにランタンへ火を入れた。





空が赤く染まりだすと師匠はカメラを持ってタープを飛び出し

サイト横の林から丘をかけ上がっていった。

10分後、息を切らせて帰ってくるや否やカメラの画面をこちらに向けて

「どう?どう?」と見せまくってくる。笑

まぁ確かに見事な夕景だった。



今日もどこかで野遊びを…より


19:00 奥方と家臣たち帰還。泣き出しそうな顔に誰1人声をかけるコトはできなかった。この後の料理にも影響しそうな感じだ。





我が家から景気づけの藁焼きカツオ!焼き加減の出来は85点。みなさん完食してくれてありがとう!




手羽家からはガラムマサラの効いたシシケバブ!ビールに最高だ。




劇団家からは圧巻のイチボ・ローストビーフ。ひなこさん裏磐梯で食べられなかったヤツだ。

自家製タレも絶妙で鎌倉山のクソ高いローストビーフよりも間違いなく美味い。絶品!文句なし。





その他、オリさんからは昨夜からバージョンアップしたチーズタッカルビや手羽家からビーフステーキ、劇団家からは絶品山形芋煮や釣った魚(手羽さんが)のアクアパッツァなどなど。釣果はアレだが料理に手抜きは無かったようだ。


まぁ結局いつもの感じでもう食えねぇ!になったのだが、私もあまりの楽しさに結構飲んだ。


師匠は途中少しだけ休んだが結局釣りにも行かず12時間以上ワイワイやっている。笑





昨夜は宴会中テントに行った手羽さんが「いや〜タープから出ると寒いね〜」と言って席に戻ってきた。

今夜は8人ものキャンパーがタープ下で笑顔になっている。


タープ買ってよかったなぁ・・・。



まぶしい朝日を受けながら焚き火で魚焼いたり米炊いたり

抜けるような青空の下でタープのテンションに余念がなかったり

島から見る沈む夕日に心打たれたり

師匠と並んで夜空の天の川を見上げたり。


いや〜今回は「キャンプ」した〜!!!

なんかモヤモヤが晴れた気分だ。笑





「グルキャン」と聞けば飲んで騒いで・・・のイメージも少なからずあると思うが

単独キャンプにはない充実感やプレッシャーがある。

これは自己のスキル向上にも大きく影響するが身心の疲れも伴う。

しかし何事もやってみるコトが大事だ。

数年前なら知らない人とキャンプなんて考えられなかっただろう。

それはすべてにおいて「協力的」でいなければ成立しない場であり

それが嫌ならやらなければいいのだが

嫌でも自分からそういう場に飛び込んで今まで気づかなかったコトやわからなかったコトを知るのは

ちょっとした勇気もいるけどそこで得たものは一生の財産となる。


みなさんキャンプの達人ばかりのグループに、素人キャンパー夫婦+2匹を迎え入れてくれて本当にありがとう。


話しは尽きなかったが23:00にはダウン。






釣りも行かずただ焚き火を燃やし続けて

景色に感動して仲間と語らう。



これもキャンプ。





act.7 さよなら東北キャンパー編(最終回)へ続く  続きを読む


2017年10月12日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.6 本日の主役はテンマクタープ!前編

10/08(日)快晴の休暇村気仙沼大島キャンプ場。



抜けるような秋の空は今年雨に悩まされ続けたキャンプの中で間違いなく1番の天候だろう。




キラキラと輝く三陸の海が眩しすぎた。



今朝私はテントの中で1台の車がキャンプ場の小高い丘をかけ降りてくる音で目覚める。

どうやら始発フェリーでやって来たらしい。気合い入ってるなぁ。


挨拶もそこそこにすぐ設営にとりかかる。よほど朝イチの釣りが楽しみだったのか。




※luxe メガホーンII

右奥に見える炊事棟すぐ横の白っぽいテントが私。






1組だけファミキャンエリア。師匠を含め東北3組は貸し切りのフリーサイト。

これはハタから見れば「いじめ」とも思えるような絵だが


いやいや待て待て。


我がウェザーマスターが屈辱の電源サイトにいようとも、本日の主役を張らせていただくのは


手羽さんのアルフェイムでも無く





オリさんのシャングリラでも無く





そして師匠のメガホーンでも無い。






そう。本日夜に全員が集い語らう場所は・・・


tent-Mark DESIGNSが誇る最強の焚き火タープ・・・


私の「Takibi-Tarp Cotton Hexa」なのです!!!

(スタンディングオベーション・鳴り止まぬ大歓声)


ここにいる東北キャンパー達よ、頭を低くして集まるがよい。


そしてこの強烈な陽射しから身を守るのだ。


夜は盛大な焚火を以てタープ下を暖めてくれるであろう・・・。





って、もうみなさん談笑中ですね。汗



劇団家奥方は朝から勇ましかった。

設営が終わるや否や片手に釣竿を持ちながら



奥:「行くよ!」


主:「う うん・・・。」


奥:「ほら早くっ!」


主:「いや、まぁちょっと・・・。」



主人は曖昧な返事だ。


彼の気持ちは良くわかる。

徹夜で走りつづけた疲労もさることながら、設営終わってホッと一息。

加えてこの秋晴れの空の下、小高いフリーサイトの目の前にはどこまでも青い海。

彼が1番好きなヤツ。笑


そしてカーミットチェアに座り足を投げ出し冷えたドライビールをカシュッ!




う うっめーーー!


この状況から釣れるかどうかもわからない釣りに向かえるキャンパーなどいないのではないだろうか。笑


業を煮やした奥さまは「もういいっ!釣れても食べさせてあげないからね!」と朝食も摂らずに他の東北キャンパーを引き連れ釣り場に向かった。

しかし奥方だって寝ていないのにあのパワーはどこから出てくるのだろう。

来たばかりの藩主をソロにするわけもいかず私も残ることにした。






それから3〜4時間ほど笑い転げながら話し込んだろうか。






師匠はテンマクタープを見上げ「いや〜このサイズ感いいね〜」と上機嫌のようだ。

私は誉めていただいたコトも嬉しかったがそれだけではない。

これは初めてお会いした時の喜びとはまた違い

これほどのキャンパーと私のタープ下でこんな最高の時間を過ごしているコトが何にも代えられない喜びとなっていた。






いつまでもこんな楽しい時間が続いて欲しかったが、ふと気付いた。


彼は朝8時から飲んでいる。加えて徹夜明け。

い、いかん!このままでは17時ダウンのパターンだ!笑


絶好調に見える彼だったが、私は仮眠をとるように促した。

彼はほろ酔いでテントに潜り込む。


爽やかな気温の中テントにひとり大の字でお昼寝。さぞかし気持ち良かっただろう。

奥方は釣りからまだ帰って来ない。



それがキャンプ?笑






act.6 後編に続きます。  続きを読む


2017年10月11日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.5 困惑のグルキャンナイト編

10/07(土)休暇村気仙沼大島キャンプ場


音もなく細かい雨が降り続いていた。


また雨設営か・・・。



まずはタープを張らなければ始まらない。

車からヘキサタープを取りだしフリーサイト海沿い先端の場所に広げる。


私はタープのペグにソリステ40cmを使っているが、それを見た杜の手羽先さんがやってきて


「うわ〜40cmか〜」と言いながらもペグダウンを手伝い始めてくれるではないか。


ベテランキャンパーと一緒にタープ設営。

以前に師匠と2人天神岬公園でこのタープの初張りした日を思い出した。



何かを一緒に作業するコトはどんな挨拶の言葉よりも互いの距離を縮める。


師匠もそんなコト言ってくれていたなぁ・・・なんて感慨深く思いながらロープの張りを調整する。


私は普段よりも念入りに設営した。

手羽さんが手伝ってくれているのにシワが入ったタープでは失礼にあたるからだ。






そして同じ屋根の下から見えるのは、どんよりとした空の海だけど

荒々しく磯に砕けた波音がタープ下にも届きそれを一緒に聞いていたら

なんだか手羽さんともキャンプ仲間になれたような気がして嬉しかった。



「他になにか手伝いますか?」と聞かれたが、ここで「いいです、いいです。」では逆に他人行儀っぽい。

私は遠慮無く車からパイルドライバーを取りだし「タープ下に打っておいてください」と頼んだ。


その間に食材や細かいモノを車から取り出してタープに戻るとそこは衝撃的な光景だった。






なんと、パイルドライバーを東北4と関東2で分断するように建てられているではないか!


それはこちら側からの侵入や机・イスなどを寄せ付けないまるでタープ下ベルリンの壁のようだ。

さらにランタンを下げる部分も東北側を向いている。

会話もパイルドライバー越しだし、東北組の会話はなんだか声を潜めて話しているようにさえ聞こえる。笑


あまり調子に乗るなよ、と建てられたようなパイルドライバーに先ほどの気持ちは吹き飛ばされ

じゃあいいよ!と、こちらはこちらで焚き火を楽しんでやる!と私は一心不乱に持ってきた端材を燃やし続けた。



設営中に遅れていたオリさんが参上していた。



※GoLite Shangri-La

1度しか一緒にキャンプしていないがやはり安心感があった。

しかし「オリさん!」と駆け寄るもなんだか前回と雰囲気が違う。


孤高のライダーであり東北の野良キャンパーが連れてきたのは今回が初キャンプとなるお姫様のような彼女。

「こいつに何かあったら俺が許さないぞ!」的なワイルドな目でこちらを牽制する。


彼女さんはなにか話す時はオリさんに顔を寄せて話し、オリさんはまだ飲んでもいないのにウンウンと頷きながらデレデレ・・・。


頼みの綱が無くなったグルキャン初心者夫婦の頭上には暗雲が立ちこめていた。





ランタンに灯が入りパイルドライバーを中心とした宴会が始まると

手羽さんは奥さんと釣りや料理の話しに花が咲き

オリさんは相変わらず彼女とキャッキャウフフ状態だ。



そんな中、私はなんとか東北組との境界を越えようと「秋鮭の香草ホイル焼き」の提供を試みるも




オリさんから「薫るけど味薄い。」と一蹴される。



すると手羽家からはアボカドとサーモンのサラダに




オリさんからは噂のチーズタッカルビで返り討ち。





私にできるコトは少し肌寒くなったタープ下東北組に焚き火の熱を届けるコトしかできなかったが




昨夜、夜通し走ってきた眠気に襲われ21:00にはあえなくダウン。

その後は東北チームのみで明日の朝イチから釣りに行く話しなどで盛り上がっていたようだ。







そして2日目の朝。




1組の夫婦がまわりの迷惑も考えず朝1番の船(06:40)で

それはまるで高気圧を連れて来たかのようにテンション高くキャンプ場にやって来た。






それに伴いパイルドライバーの壁は取り外され、タープ下はみるみると赤く染まっていく。


そして主人はカーミットに座って開口一番




「これから始まる島キャンプを堪能するぞと

気合のカシュッ!!


う うっめーーー!

これだからキャンプはやめられない」





おい「釣り」はどうした?笑






act.6に続きます。
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2017年10月10日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.4 雨の気仙沼大島編

act.1 出撃準備編
act.2 情報収集編
act.3 出陣前夜編の続きです。




秋の3連休初日となる7日(土)は前日夜からの雨。深夜の東北道を北上する。


09:00 気仙沼港到着。




予約してあるフェリーの出港は10:40なので食材の調達に向かった。






たくさんの魚が並ぶ店内。まずは特大カツオ1匹3,500円、その安さに驚く。




高知ではこれより2まわり小さいカツオで5,000円。改めて気仙沼の豊富な水揚げ量を実感した。


他の魚たちも圧倒的に安い。エビ・タコ・ホタテなどみんな美味そうで、これはもう島で「釣り」なんかしていられないレベル。汗


今回がグルキャンでなければ妻と2人で海鮮BBQ三昧のキャンプとなっていただろう。


道の駅で8人分の野菜、魚市場で秋鮭と藁焼き用のカツオを仕入れた。当初予算の半分以下だが新鮮さは一級品。

万が一、同行する東北キャンパー達の釣果が良かったとしても、私はこちらの魚たちを食したい。いや食すだろう。






気仙沼港から大島までは内湾のみなのでフェリーに揺れは無い。




約30分で小さな港の大島・浦の浜到着。

キャンプ場に行く前に島内をぐるっとまわってみたが車で約30分ほどしかかからない。


買い物は港にコンビニっぽい釣具屋と島中心部に小規模なスーパーのみ。

島の最南端「龍舞崎」には遊歩道なども見えるが観光客が集まるような場所は小田ノ浜海水浴場ぐらい。

降り続く雨に車窓からの景色を眺めるだけのプチドライブとなった。



まぁ想定内だったがこれはキャンプ場での過ごし方を問われる3日間になりそうだ。


昼過ぎに「休暇村気仙沼大島」に到着。




キャンプ場受付はこちらのフロントで行う。


入浴時間は18:00から20:30までと聞かされホテル宿泊者優先の時間設定に少々イラっとしたが

そんなコトよりもなんで関東の私が到着1番なんだ?

他の人達はみんな仙台から。普通に2〜3時間で着くだろう。


やる気ないんじゃないの?と私のこのキャンプへの楽しみにしていた気持ちと期待がさらにイラっとさせるが

オリさんからは「悪ぃ、遅れる。」とタイミング良くメッセージが入る。



もしやこれは作戦なのか・・・?笑



仕方なく先にサイトだけでも見ておこうと少し離れたキャンプ場に向かった。

休暇村宿舎の入口で1台の車とすれ違うが、それが杜の手羽先さんだなんて初対面同士、わかるハズもない。



林に囲まれた道を抜けたところにキャンプ場はあった。

予約してある区画サイトの前で東北キャンパー達を待ち構えるつもりだったが、私はその区画サイトの大きさで頭を悩ませていた。

普通に1区画1組なら問題無さそうだが、今回は2区画で4組+宴会用大型タープ。


キビしい・・・、いや無理だ。


サイトも多少水捌けが悪くほとんど水溜まり状態になっていて

雨の中、レインウェアを着てサイトの前で呆然と立ち尽くしている最悪の状況とも言えるところに手羽さん夫婦到着。


慣れ親しんだ間柄なら「ダメだこりゃ!受付で変更できるか聞いてきて!」の状況だが

なんせ今回予約手配してくれた本人、ましてや初対面の人に「ダメだこりゃ。」とは口が滑っても言えるワケない。


私は「ここにタープ張ってもこれくらいの大きさになりますから、残りのスペースにテント4つはキビしいですね〜」とやんわり話しかける。


手羽さんは腕を組んでサイトを見続けている。



「ほら、それとどういう向きにタープ張ってもロープが通路に出ちゃいますよ。」


それでも手羽さんは動かない。



初対面同士の微妙な空気が流れ、沈黙の時間が過ぎる。汗



手羽さんから「張れませんか・・・」と落胆の声が出た時、


今回は私のテンマク・ヘキサタープを宴会幕に使っていただける予定だったのでとても楽しみにしていたが

手羽さんがノルディスクの大型テント(アルフェイム19.6平米)を寒くなったら宴会用に使いましょうと言われていたので


「ではタープ張らないでテントのみにしましょうか?」


と涙を飲んで話しかけたが


「いや、なんにせよこの水溜まりじゃアルフェイム張れないです。」


と一言。笑



はぁ?やはり高級幕、汚せないから?じゃあ最初から言ってよ!

でもテントなんて汚れてナンボのもんでしょっ!


私のウェザーマスターなんてヤニやら樹液やら泥シミだらけで・・・と、その時はイラっと感も頂点に達したが

ワンポールテントの構造やノルディスクをなんも知らず「お座敷仕様」すらわからなかった私は

この水溜まりでは確かにムリだと言うことをその後、別の場所での設営時に知る。


一瞬でも彼を疑った目で見てしまったコトを恥じた。





海沿いのフリーサイトに場所を変えて設営。

ここは水捌けも良く、なによりも眺めがいい。

最初からこっちで良かったじゃん!と密かに思っていたら手羽さんから

「いや〜俺たちだけならフリーで良かったんだけど、Suikaさんトコは電源必要でしょ?」


またちょっとイラっとするが仕方ない。


「フリーサイト横の区画サイト1つ空いていたからそこ使ってくださいね。」



私だけがタープから約50M離れたファミリーキャンパー達で賑わう区画サイトにテントを張ることになった。

前面通路には幼稚園庭のようなチビっ子達のはしゃぎ声とペタペタ走る音が潮騒より大きく鳴り響く。しかも炊事棟横。


屈辱だったが、ホットカーペットしか頼るものが無い私たちは甘んじて受け入れる他ない。


これもすべてこの雨のせいとして気分を持ち直し夜の宴の準備を始めた。




act.5に続きます。  続きを読む


2017年10月06日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.3 出陣前夜編

act.1 出撃準備編
act.2 情報収集編の続きです。





今週は我が家の長男めろんのBirthday Week。拾い上げた日から1年の日をキャンプ場で迎えるとはまさに感無量だ。朝からちゃおちゅ〜るを与えよう。





さて。まだ出発もしていないのに東北・秋キャンプの記事はもうact.3。汗


これは夏キャン北海道から1ヶ月も空いてしまった鬱憤が溜まっているコトに他ならない。


しかし今回はひさしぶりとなるグルキャン。

準備も大変だった。



酒ひとつとっても何せメンバーは「酒豪」達だらけ。

「大酒飲み」だけなら日本酒の一升瓶でもかかえて行けばいいのだが、そうもいきそうにない。


やれ焚き火の時はバーボンがいいだとか


やれ蒸留の仕方がどうのや、ピート香とかスモーキーがどうだとか・・・







あげくには「キャンパーたるもの・・・」と酒飲み哲学まで出てくる。



ホント面倒くさい。笑


どうせ酔っぱらってなに飲んでいたかも忘れてしまうんだから。







しかし酒にそんなに詳しくない私が、彼に酒を差し出すというのは

アマチュアゴルファーがタイガーウッズにパタークラブをプレゼントするようなモノだ。


そんじょそこらの酒ならむしろ買わない方がいいのかなぁ・・・。


リカーショップ店内を悩み、そして葛藤しながらウロウロと歩いていたら

陳列棚の奥に「宮城峡」という初めて見るウィスキーが目にはいった。



コレだ!!


これならたとえあまり美味くなくても東北キャンパー達は

「やっぱ宮城の酒は美味い!」と言うしかないだろう。笑


私はその酒のラベルを見ながら軽く微笑み会計を済ませた。



酒は宮城のシングルモルト。

肴は気仙沼の本カツオ。

米は宮城産ササニシキ「ひとめぼれ」を用意した。



今夜、妻の帰宅を待ってからの出発。雨の東北道を北上する。



いざ行かん!彼らが待つ三陸の営地へ!



act.4に続きます。

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2017年10月05日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.2 情報収集編

act.1出撃準備編の続きです。



私の携帯電話はフューチャーフォン。いわゆる「ガラケー」ってヤツだ。


キャンプ場での写真撮影からブログ作成まですべてこれでまかなっている。

ブラインドタッチで入力できて仕事でもズボンのポケットに入れながら作業ができてわりと重宝している。


しかしナチュログに関してはみなさんが閲覧している画面とは違いトップページに画像は無くテキストのみ。

「トップ画像替えました!」とか言われても返す言葉は悲しくも「ああそうですか。」だ。


また記事によってはメモリが足りないのか後半は写真が表示されず(文字は読める)、記事前半の部分の内容にしかコメントすることができない。たまに想像の画像にコメントしたりもするが。笑


記事の中で表示される画像もすごく小さくて、8ママさんがどんなにキレイな星空写真を載せてくれても見えるのはブラックホールだけ。

「うわ〜この星空とテント最高ですね!」なんてコメントしてもそれは単なる社交辞令となる。


「ログイン状態」というものもできず「※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。」の文字を見れば退散するしかないし

せっかく弊ブログにお越しいただいて「お気に入りにさせていただきますね!」なんて言われてもこちらに登録できる機能は無く、たぶん失礼なヤツと思われているだろう。


また他の人の記事を見て知ったのだが、いろいろ教えてくれる「通知機能」なんかも一切ない。

そもそもナチュラムすら見られない。



まぁそんな限られた機能だがブログを無料で使わせていただいているのは感謝しているし

ガラケーの締め出され感を感じながらもなんだかんだで楽しませてもらっている。





さて、先日妻のスマホにあるLINEメッセージが入った。

私はネットでキャンプ場を探す時などに妻のスマホを借りて見たりもするが

「LINE」に関してはその画面すら見たこともなかった。


そのメッセージ発信者は仙台藩主の正室。
「それがキャンプ」真の総大将でもある。


「今度の秋キャンプについてココで話しなさい。」


この御触れで即座に家臣達が集まる。専用の部屋を用意してくれたようだ。


妻は会議参加の意志を私に問う。5分ほど悩んだが「虎穴に入らずんば虎子を得ず」だ。私は腰を低くして入城した。


スマホの文字入力すら初めての私の前で無情にも各メッセージは流れていく。

いろいろな決議が行われている中、ようやく「Suikaです。この度はよろしくお願いします。」と入力を終えて送信すると

意外にもまだお会いしたコトのない杜の手羽先さんがフレンドリーに返事をくれた。


その後なんと2時間近くも釣り談義に花が咲く。

途中、天守閣にいる正室からは

「わかんない!」とか

「アジングってなによ?!」など

ひと言メッセージが度々入るがかまわず手羽さんと会話を続け

なんと敵味方の垣根を越え戦わずして打ち解けることができたのだ。


その後も初日は私が宴会用タープを張るがポールが足りないかも・・・と相談すればオリさんが貸してくれるとか

夜に寒くなったら手羽さんが大きな幕をお座敷仕様(ペット可)にしてストーブを用意してくれるとか

薪や兵糧はどれくらい用意できるかとか


入力は相変わらず激遅だが私が案じていたコトが次々と解消されていった。


スゴいなぁ現代コミュニケーションツール「LINE」。

今やグルキャン対決にもサイバー部隊が必要な時代なのだろうか。


まぁなんでもいい。これで本陣に正面から乗り込んでいける。


時代遅れのキャンパーが敵陣深く入っていくには手段なんか選んではいられない。

今さらなのだろうが「LINE」は最も有効なグルキャンギア。


しかし便利なモノを知る度に何かを失ったような気になってしまうのは、やはり歳のせいなのだろう。笑



※今回の記事は気持ちを少しだけわかっていただきたく文字のみとさせていただきました。笑



act.3に続きます。
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2017年10月04日

三陸と東北キャンパーの恵みを知るキャンプ act.1 出撃準備編

キャンプではベストシーズンと言える季節を迎えた。

今年を振り返るにはまだ早いが、年始のあだたら、2月に遠野・久慈バスツアー、5月は弘前桜まつり、北海道夏キャンプと何度も東北道を北上した。

そしてまた今回もめろんとりんごを後ろに乗せて走る。

行くぜ東北!素晴らしい景色と味覚を求めて。






東北、いや日本でも有数の漁港である宮城県・気仙沼港では9月から終漁までの期間に水揚げされる脂ののった「戻りカツオ」の最盛期らしい。

本場・高知でカツオの塩タタキ修行を積み「藁焼き名人」の称号を手に入れたものとして避けては通れない場所である。



今回の集いで指定された場所は交通手段にフェリーを利用する。

東北で最大の面積の離島だが人口は3,000人しかいない。コンビニやワイルド・ワンも無いだろう。


周りは海。つまり何かあってもリカバリーができず失敗が許されないキャンプとなる。忘れ物など論外だ。


「なんか問題ありゃどこかで買えばいいじゃん!」が口癖の夫婦に緊張が走る。


繰り返して言う。カツオなどの買いなおしはできない。







気仙沼と言えばフカヒレ。ここはひとつ「姿煮」でも振る舞いたいとも思ったがそんな料理の腕も金も無い。

当初の計画どおりカツオの水揚げ量20年連続日本一の漁港で1本釣り本カツオを探す。


おそらくそんな脂ののった「戻りカツオ」なら少々失敗しても十分美味いハズ・・・。

いやそんなんじゃダメだ。


最高の素材と私の絶妙な焼き加減をなくして、あの怒濤の如く攻めてくる数々のキャンプ飯には対抗できない。


我が埼玉に東北キャンパーへ勝負できる食材なんて深谷ネギと草加せんべいぐらいなモンだが





自然豊かな宮城には米もあれば牛もいて、なにより決定的な「海」がある。

ならば敵地の旬食材を使って「どうだ?美味いだろう〜」とあたかも私が美味くしたみたいな少々上からの態度で優位性を築くコトにした。






出陣にあたりひなこさんからこんなお言葉をいただいた。


「Suikaさんとの掛け合いも見てみたいです(笑)」



掛け合い?


そりゃ高価でおしゃれなテントを並べて関東の仲間も一緒。加えて貴女の陽気で素敵な笑顔があればそれもできるだろう。


しかし考えてもみて欲しい。今回は百戦錬磨の東北6人に対して我々はブログもグルキャンもまだ初心者レベルの夫婦(+2匹)。

迎え撃つ仙台藩主は手羽さん・オリさんという将棋でいうなら「飛車角」の動きをするようなベテランキャンパー(いろいろテント持っている)を連れて最強の布陣を敷いての参上だ。

まだ私達のレベルでは「掛け合い」なんてできるワケもない。


私は今年のゴールデンウィークに初グルキャンとなった妻の神公園でものすごいおもてなしを受けているさなか、実は初対面となるオリさんの動きを注視していた。

あの時は他にKimu君もいたが、みんな対等のキャンパー同士とはいえホスト役は間違いなく劇団家。

天地がひっくり返っても勝ち目などはなく、ならば同じクライアント側にいる人のグルキャン時における動きを習得しておかねば貴重な時間もタダの「お客さん」で終わってしまう。

数々の見事な料理を並べられ、美味い酒を振る舞われ

ハタからみれば「なんて幸せなヤツ!」と思われるだろうが、気分的に参加できていない私の心はボコボコに打ちのめされていた。


宴会が始まるとまずオリさんは献上酒をテーブルに差し出した。

奥さまからは軽いツマミが出され師匠は乾杯の準備。


私は見てるだけ。


みんなの手に師匠からのカクテルが渡され乾杯される。

彼はすぐに焚き火の前に移動してラムラック炙り焼きやら絶品ピザの作製にとりかかるが

その間を繕うようにオリさんから遠野のジンギスカンがこれでもかの量で出された。見事なコンビネーションだ。

ここでも私は見てるだけ。


その後も劇団家から数々の料理が振る舞われ、もう食えない!と宴も終わりに差し掛かった頃オリさんから

「まだまだチキンとかいろいろあるよ〜」という声が発せられた時は軽い戦慄を覚えた。


あんな気の無いようなフリしてタープ下の席に座り、しこたま酒やら食材を最後まで隠し持っているベテランキャンパー。


私なんて買ってきた食材なんかすぐに全部出しちきっちゃって宴会中ほとんどの時間を竹ヤリすら持っていない「丸腰」状態だったのだ。


そのへんのペース配分やらハナから手の内を見せないしたたかさというか・・・。おそるべし東北の野良キャンパー。


今回、敵陣の唯一の事前情報は流行りの「チーズダッカルビ」を用意してくるというコト。

それは美味いモノなのだろうか。





しかし今回で私もグルキャン3回目。弾はしっかり用意していくつもりだが、もし負けるようなコトになっても次に繋がる負けかたってものがある。



「あんまり無理しないでくださいね。夕食は釣ったサカナで賄う予定で〜す。」


そんな言葉に騙されるワケにはいかない2017東北ツアー最終戦。


島に渡るフェリーが入港して乗船する時は

さながら巌流島に渡る宮本武蔵の気分だろう。

もうお気づきかもしれないが今回の投稿記事に(笑)は無い。


身体の震えは上空の寒気のせいではないハズだ。





act.2に続きます。



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