2019/04/29(月)06:00
GWキャンプ3日目は薄曇りの朝。タバコとストーブに火をつけてテント前室のイスに座り、ウェザーニュースを確認するのが起きてからのルーティン。東日本の天候は昨日あたりから崩れていたらしいが、この紀州は晴天続きで最高の熊野詣でが出来た。しかし今日は夕方くらいから小雨が降りだしそうだ。
ならば本日は紀州南岸の道をドライブに行こうと決めて、これまた今年の冬キャン非常食用にケースに入れておいたお湯を沸かすだけの「鍋焼きうどん」を在庫整理。どうせまたチョコチョコ食べながらのドライブになるので軽めの朝食とした。スティックコーヒーを飲み終えたら海沿いの道に向かって出発だ。
本州最南端【道の駅くしもと橋杭岩】(和歌山県串本町)からの眺め。海の侵食により岩の硬い部分だけが残ってこうなった。【日本ジオパーク・南紀熊野】
白浜の千畳敷で海を見ながら休憩。
コレ、ホントに和歌山産?
南紀白浜の真っ白な砂を妻に見せてあげようと市街地へ向かうも白浜空港周辺はアドベンチャーワールド「パンダの赤ちゃん大公開」で大混雑。さっさと温泉街を抜けて、白浜では観光客ならテッパンの施設「とれとれ市場」に向かった。
ごった返しの売場だがとにかくデカい。
各コーナーに置いてある「試食品」だけでも腹が満たせそうな勢いで通路を歩いていたが、鮮魚を買おうにもクーラーバッグを持ってきていない。
元々ココは売場で食材を買って別棟でBBQができる市場(要・食材とは別に300円/1人)で、もう20年くらい前に会社の連中と寄って楽しかった思い出があったのだが、本日BBQは60分待ちの大盛況。仕方なく車でも食べられる寿司を買って昼食とした。
2019/04/29(日)13:00
車は紀伊半島西側の沿岸を走り「紀州南高梅」のふるさと「みなべ市」に向かっていたが、どうしても気になって仕方ない道の駅があった。このまま海沿いを約30Km行けばみなべ市に到着するが、道の駅は別方向の山に向かって20Km。雨も今はまだなんとかもっているが、いつ降りだすかわからない。帰る道の時間もあるし、途中の温泉にも寄りたいし・・・
いや、あの道の駅案内の看板を見てしもうたら、行かんワケにはイカンやろ・・・。(関西弁)
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国道42号線を右折してから県道田辺龍神線を龍神村方面へ山を登り続けて約30分。
【道の駅 紀州備長炭記念公園】(和歌山県田辺市)
紀州備長炭発見館09:00〜17:00(12〜3月は16:00)大人210円/小人100円
紀州備長炭発祥の地「田辺市秋津川」にある道の駅。コレをスルーするようじゃ「本物のキャンパー」になどなれるワケが無い。道の駅って国道沿いじゃなきゃダメなんじゃなかったっけ?なんてヤボな疑問も湧いたが「国道」なんてあるワケも無いドえらい山の中、仕方あるまい。
私達の他には誰1人いなかった紀州備長炭発見館。ま、好きでココに来るなんてBBQ好きのキャンパーと焼き鳥名人くらいなのだろう。
だが私達は真剣に学んだ。どのように「炭」が作られているのかをぼんやりとわかってはいたが詳しくは知らなかった。
この先ずっと世話になる「炭」。高価でなかなか手が出ない白炭の「備長炭」だが、工程だけでなくこんな雰囲気の山の中で作られているコトを知り、なんだかこの炭に愛着が湧いた。
よくて岩手ナラ炭、あまり気が乗らない時は豆炭やオガ炭なんかも使ってきた。しかしこれからは「紀州備長炭」を積極的に使おう!と思うには思ったけど、やはり高い・・・高すぎる。たかがアジの干物焼くのに原価は1枚1,000円を越えそうだ。
道の駅の他の建物にはちょっとした飲食のできるスペースもあったみたいだが、やはり私の目的はコレ。
このキャンプに出掛ける前に「どこかで紀州備長炭買って焼き鳥やろう。」と妻に話していたが、一応ホームセンター炭も持ってきた。(3Kg600円)
こちらは「ワケあり品」で1Kg800円。通常のモノで1Kg1,300円。泣
私は咄嗟にユニセラの姿を思い浮かべ、ユニセラの底にホームセンター炭、その上に紀州備長炭を並べれば網の上の焼き鳥には紀州備長炭の遠赤外線が当たるハズと確信。この炭の素晴らしさは先ほどしっかり学んできたが、ここは取りあえず1Kgのみの購入とした。汗
車の中で備長炭を取り出して炭と炭を叩きあうと「キン」「キン」と高い音がする。売店では「備長炭風鈴」も数多く販売されていたが、そのなんとも清々しい音色なことよ。
玄関に置いたり、炊飯器に入れてメシ炊いたり、水を浄化させたりと色々用途はあるけれど、今回はこの1Kgで「最高の焼き鳥」を前に乾杯したい。
ガスにフライパンの方が楽チン?近所の公園でデイキャンならそれもいいだろう。しかし今は「BBQの聖地」と呼んでもおかしくない「紀州備長炭発祥の地」にいるのだ。大人の事情でたった1Kgしか手にするコトが出来なかったが、後世に語り継がれるような「魂の焼き鳥」を焼き上げることを誓って道の駅を後にした。
そして本日のドライブ最後の目的地「みなべ市」にやってきた。時間も押していたので1区間だけ阪和道を利用したが「みなべIC」を降りるや否や梅・梅・梅!
高速の本線から外れて料金所までの緑地帯にまで梅の木が植えられている。市内に入れば出てくるのは梅干し工場ばかり、その他は全部梅の木。その数は水戸や小田原どころではなく、弘前の「りんご畑」にも匹敵するくらい広大な梅畑だった。
「梅干館」という無料の見学ができる工場に寄ってみた。ゴールデンウィークにつき製造ラインは止まっていたが
ココではすべての梅干しが試食して購入できる。塩分控えめから20%のモノまで、ハチミツ入だったり、しそ入だったり。他に「梅」とつくものなら何でもあり。
梅干し好きな妻は右に左に大忙しだったが、私は壁に展示されている「梅干し史料・年各表」などを読んでいて、2つほどタメになったコトがあった。
1つめは演歌歌手の坂本冬美さんは下積み時代にこの工場の社員となり支援を受けていたコト。
2つめは「紀州南高梅」の名前の由来。「南高梅」なんてなんだか高貴に聞こえる響きでブランド力も感じるネーミングと思っていたが、なんてコトはない、梅干し創始者の人が「みなべ南高校」にゆかりがあったらしくそれで「南高梅」。ざけんなよ。
どちらも知っていて今後役に立つとは思えないが、頭の片隅に置いておけば紅白歌合戦で坂本冬美さんを見た時や、弁当に紀州南高梅が入っていた時に周りの誰かに教えてあげればきっと喜んでくれるに違いない。
最後に【道の駅みなべうめ振興館】に寄って妻の会社同僚逹へのお土産に「梅ラング・ド・シャ」を買ってキャンプ場に戻ることにした。
帰りは同じ道を戻るのもつまらないので、紀伊半島西側の田辺市から熊野本宮経由で紀伊半島東側の那智勝浦市へ横断する国道311号線(中辺路)を選択。信号もコンビニも無いこの「中辺路」は熊野古道のメインルートでもあり延々と山間を走り続ける。途中雨が降りだして来たが、それはそれで幻想的な雰囲気に包まれ、本宮に向かう長く厳しい「信仰の道」だというコトを強く感じさせた。
2019/04/29(月)16:00
熊野本宮近くまで戻って来れば最後はシメの温泉だ。熊野本宮周辺は温泉も豊富で、特に有名な【熊野温泉郷】には3つの温泉がある。
川原を掘るとお湯が湧きだす【川湯温泉】。水着着用の大露天風呂もあるらしい。
含硫黄の炭酸水素塩泉【湯の峰温泉】はその歴史から世界遺産登録されている源泉かけ流し。ただ日帰り入浴は壺湯らしく30分ごとの入れ替え制。
どちらも温泉好きにはたまらなく魅力ある温泉だけど、明日は朝イチで透析予定なので、私はこれが「平成最後の温泉」となる。最後はのんびり入りたくて「西日本最大級」と書かれていた【渡瀬温泉】に決めた。
日帰り入浴大人700円。源泉は3本ありナトリウム-炭酸水素泉・塩化物泉のかけ流し循環併用。5つの露天風呂があるが「三の湯」だけは源泉かけ流しなので、ずっと三の湯。
草津の「賽の河原温泉」と比べればなんてことはない大きさの露天風呂だが、やはり本宮のお膝元にある温泉郷。なぜか「ありがたや〜」と感謝の気持ちになれるのが不思議。それなりに混んではいたがシャンプー・コンディショナー完備の洗い場は数も多く問題なくサッパリすることができた。
キャンプ場に戻ったのは周囲がすっかり真っ暗になった19:30。雨も強くなっていたのでショートカットの山道は怖くて走れず1番大回りとなる正式ルートでキャンプ場に戻った。200Kmをゆうに越えるドライブとなってしまったけど、いろいろ妻に見せてあげることができて楽しい1日となった。
さぁ明日はいよいよ「和歌山編」最終日。次回投稿は4泊もしたのにまったく見ていない円満地公園の「キャンプ場紹介」をしてみようと思う。汗
つづく