暴風に挑む年越しキャンプ act.2 風と共に去りぬ 前編

Suika with C

2018年01月09日 12:14

act.1 ほんとうの空編の続きです。



12月31日 フォレストパークあだたら3日目。





2017夏にTakibi-Tarp Cotton Hexaを購入してから半年間。



師匠の「真冬のオープンタープ」を目標にしながら




1月のオープンタープ



この日が来るのを一日千秋の思いで待っていた。



29日にあだたら入りした日から強い風が吹いていて、それまでとてもとてもタープを張ろうなどという気持ちにはならなかったけど


新年を迎えるにあたってここはチャレンジだ!と。


たとえ最悪の状況を招いたとしても・・・だ。



大晦日の朝、風が少し弱まったタイミングでヘキサタープを張った。


ポールは210cm、両翼を地面直張り。

本当は風をガードする向きにして「焚き火」をしたかったのだが潰されてしまっては元も子も無い。


北西側から来る吹き下ろしと平行にポールを立てて風を逃がすように張ってみた。





サイトに備え付けられている木製のイスとテーブルをタープ下に運び入れ焚き火台をセット。



さあ新年を迎える体制は整った。

あとは強靭なtent-Mark DESIGNSのフルコットンを信じて祈るのみ。


私達は年明け後半戦のための水・食料を買いに1度山を下りた。






昼過ぎにサイト(C-20)に戻ると、隣のサイト(C-18)に仙台ナンバーの車が停まっていた。





設営していたのは師匠。

特にしっかり連絡をとりあっていたワケでもなかったので、無事に来られた姿を見て安心したが


実は10月の気仙沼大島・秋キャンプで衝撃的な話を聞かされていた。


他のみんなは釣りに出かけていて師匠とタープ下で和やかな会話をしていたが

話が3ヶ月後の年越しキャンプに及んだ時



「いや、あの・・・、今年の年越しは、ココココテージで・・・汗」


「暖炉があって・・・仲間とパーティーして・・・あとあたたかいベッドもあるし・・・」



そんなの「キャンプ」じゃねぇええ!と私は一蹴したが師匠の気持ちは変わらなかった。



東北の野良キャンパー共が集まって、コテージの暖炉を前にしてワイワイ年越し???




こっちは星空の下ひとり鼻水垂らしながらタープ下で薪をくべている中

同じ敷地内でイェーイ!と盛り上っている光景は想像を絶する。


ナチュログで積み上げてきた数多くの実績を崇め奉られ、伝説の年間80泊・孤高の東北キャンパー1年の集大成である「年越しキャンプ」で

「笑ってはいけないフォレストパークあだたら」などといううかれた題名の写真が記事を飾ろうとはいったい誰が想像できただろうか。



しかしなんでテント張ってるんだ??


ハッ!もしやブログでは

「カッキーーンと凍てつく静寂の森に・・・」

なんて出だしでテント泊を装うつもりなのか!?


もはや「東北プライド」まで失ってしまったとは・・・。



設営を終えた師匠は言葉少なく

「それじゃまた後で・・・」

と高級別荘地のようなコテージエリアに消えていった。



また風が強くなってきた夕方。

灯りのつかない主を失ったマルシャルテントは少し寂しげだったが




吹き荒れる風の中で一緒に戦う「戦友」のような気がしてきた。



紅白歌合戦を見終えた23:45。私は1度テントを出た。


遠くまで点々と灯りが見える。

毎年見てきた大晦日のそれぞれの年越し。



5分前に雪がチラホラ降りだした。


いろいろあった2017年、ありがとう。

氷点下の森に空から舞いおりてくる無数の「白」。

こんな素敵な瞬間、コテージなんかじゃわからない。


「ゆく年くる年」の時間は無言で過ごすのが子供の頃からの習慣。


2018年こんにちは。

良き年になるよう願いながらシュラフにもぐりこんだ。






暴風に挑む年越しキャンプ act.2 風と共に去りぬ 後編につづく


あなたにおススメの記事
関連記事