10/07(土)休暇村気仙沼大島キャンプ場
音もなく細かい雨が降り続いていた。
また雨設営か・・・。
まずはタープを張らなければ始まらない。
車からヘキサタープを取りだしフリーサイト海沿い先端の場所に広げる。
私はタープのペグにソリステ40cmを使っているが、それを見た
杜の手羽先さんがやってきて
「うわ〜40cmか〜」と言いながらもペグダウンを手伝い始めてくれるではないか。
ベテランキャンパーと一緒にタープ設営。
以前に師匠と2人天神岬公園で
このタープの初張りした日を思い出した。
何かを一緒に作業するコトはどんな挨拶の言葉よりも互いの距離を縮める。
師匠もそんなコト言ってくれていたなぁ・・・なんて感慨深く思いながらロープの張りを調整する。
私は普段よりも念入りに設営した。
手羽さんが手伝ってくれているのにシワが入ったタープでは失礼にあたるからだ。
そして同じ屋根の下から見えるのは、どんよりとした空の海だけど
荒々しく磯に砕けた波音がタープ下にも届きそれを一緒に聞いていたら
なんだか手羽さんともキャンプ仲間になれたような気がして嬉しかった。
「他になにか手伝いますか?」と聞かれたが、ここで「いいです、いいです。」では逆に他人行儀っぽい。
私は遠慮無く車からパイルドライバーを取りだし「タープ下に打っておいてください」と頼んだ。
その間に食材や細かいモノを車から取り出してタープに戻るとそこは衝撃的な光景だった。
なんと、パイルドライバーを東北4と関東2で分断するように建てられているではないか!
それはこちら側からの侵入や机・イスなどを寄せ付けないまるでタープ下ベルリンの壁のようだ。
さらにランタンを下げる部分も東北側を向いている。
会話もパイルドライバー越しだし、東北組の会話はなんだか声を潜めて話しているようにさえ聞こえる。笑
あまり調子に乗るなよ、と建てられたようなパイルドライバーに先ほどの気持ちは吹き飛ばされ
じゃあいいよ!と、こちらはこちらで焚き火を楽しんでやる!と私は一心不乱に持ってきた端材を燃やし続けた。
設営中に遅れていた
オリさんが参上していた。
※GoLite Shangri-La
1度しか一緒にキャンプしていないがやはり安心感があった。
しかし「オリさん!」と駆け寄るもなんだか前回と雰囲気が違う。
孤高のライダーであり東北の野良キャンパーが連れてきたのは今回が初キャンプとなるお姫様のような彼女。
「こいつに何かあったら俺が許さないぞ!」的なワイルドな目でこちらを牽制する。
彼女さんはなにか話す時はオリさんに顔を寄せて話し、オリさんはまだ飲んでもいないのにウンウンと頷きながらデレデレ・・・。
頼みの綱が無くなったグルキャン初心者夫婦の頭上には暗雲が立ちこめていた。
ランタンに灯が入りパイルドライバーを中心とした宴会が始まると
手羽さんは奥さんと釣りや料理の話しに花が咲き
オリさんは相変わらず彼女とキャッキャウフフ状態だ。
そんな中、私はなんとか東北組との境界を越えようと「秋鮭の香草ホイル焼き」の提供を試みるも
オリさんから「薫るけど味薄い。」と一蹴される。
すると手羽家からはアボカドとサーモンのサラダに
オリさんからは噂のチーズタッカルビで返り討ち。
私にできるコトは少し肌寒くなったタープ下東北組に焚き火の熱を届けるコトしかできなかったが
昨夜、夜通し走ってきた眠気に襲われ21:00にはあえなくダウン。
その後は東北チームのみで明日の朝イチから釣りに行く話しなどで盛り上がっていたようだ。
そして2日目の朝。
1組の夫婦がまわりの迷惑も考えず朝1番の船(06:40)で
それはまるで高気圧を連れて来たかのようにテンション高くキャンプ場にやって来た。
それに伴いパイルドライバーの壁は取り外され、タープ下はみるみると赤く染まっていく。
そして主人はカーミットに座って開口一番
「これから始まる島キャンプを堪能するぞと
気合のカシュッ!!
う うっめーーー!
これだからキャンプはやめられない」
おい「釣り」はどうした?笑
act.6に続きます。