1万円のTOYOTOMI RS-H29G(W)は冬キャンで通用するのか?【ウェザーマスタートリオドーム検証編】

Suika with C

2017年12月12日 06:56

1万円のTOYOTOMI RS-H29G(W)は冬キャンで通用するのか?の続き






【検証日】:2017/12/09*10*11

【場所】:出会いの森総合公園AC(栃木県)

【検証者】:Suika

【検証物】:TOYOTOMI RS-H29G(W)



【検証方法】:氷点下時にWMトリオドーム前室内(常時換気)にて燃焼。あとは温度計を見ているだけ。

【検証理由】:テント前室にいると寒いけどストーブで3万も4万も出せないから。

【検証費用】:
ストーブ本体10,000円(新品)
携行ガソリン缶6,000円
灯油(10L)800円
キャンプ場(電源付)3500円
食材A(道の駅)3,200円
食材B(とちぎ和牛180g)1,400円






何年も極寒のキャンプ場では焚き火のみで過ごしてきた(タープ無し)。





あまりの寒さに首や頭は痛くなり

知らず知らずに鼻水が地面に垂れていた。


妻はホットカーペットとこたつのあるテントからまったく出てこなくなり

私はテント前室を暖めるにはガスコンロにケトルをのせるコトくらいしかできなかったが

その寒さにCB缶ではなかなか湯も沸かず


吹きすさぶ雪の中で己の無力さを嘆く他は無かった。





そして2017年。

ブログデビューを果たした今年はテント前室の結露が氷柱になるような寒々しい光景など見せられるハズもなく

私の所有するテントは薪ストーブを設置できるようなものは無いのでコンパクトな石油ストーブを探した。


レインボー?フジカ?アルパカ?


どれもお洒落でキャンプ向きなのはよくわかったが

私がテントでストーブを使う姿を妄想する時の設定はいつも「大晦日」。


外は雪。テレビは紅白歌合戦。

父はいつもと変わらずキリンビールを飲み続け

母は正月を迎える準備で台所に立っている。

私は演歌歌手の間に風呂に入り

出てきたら石油ストーブの前で髪を乾かしたあの時代。


キャンディーズや西城秀樹が好きだった「昭和」の懐かしい気持ちを少しだけ感じたくて

私が少年時代に使っていた石油ストーブに少し似ている【TOYOTOMI RS-H29G(W)】を選んだ。






説明書など見なくてOK。昭和の人間なら直感でわかる。

単2電池をセットすればスイッチで点火できるが、ここはマッチで行こうではないか。

それに電池をセットしておいて積載時になんらかの弾みで作動してしまっても困る。


トリオドームはインナーテント吊り下げ式。




インナーテントを付けなければシェルターとして利用できる。




今回はインナーテントをつけて検証。約2,800mm×約2,000mmの前室にIGT(ロング)・フィールドラック4台・コールマンチェア2台を置いた。スカートのペグ打ちは無し。




左右のベンチレーションと窓(メッシュ)は換気のため常時開放。この日の日中はとても暖かくテントの中ではTシャツで過ごしていたほどだ。




夕食時に測定を開始した。





結果は外気温2℃で幕内温度は12〜13℃をキープ。




以前から使っていたユニフレームのハンディガスヒーターを併用すると幕内温度は15℃を越え

冬着のままでは暑くて長袖にフリースの上着だけの楽な服装で過ごせた。





朝方は氷点下2℃。トヨトミストーブだけで幕内温度は10℃。御の字だ。

室温10℃以上ないと動けなくなる妻はホットカーペットに布団乾燥機が効いたインナーテントから「暑いっ!汗かいた!」と起きてきて

私は前室で快適に朝食づくり。


ああ、もっと早くこんな朝にしたかった。

6年前の自分を問い詰めたい。お前はアホかと。


たった「1万円」でこんな幸せな朝を迎えられた。

しかしストーブ無しの経験が長かったからこそ、このありがたみも300%わかるってモンだ。


換気をもう少し落としてスカートもキッチリとペグを打てばさらなる温度上昇も見込めるだろうが

冬のテント前室は10〜12℃くらいで丁度良いと思う。


テントから急に外に出た時の差がありすぎるのも体調に影響しそうだし

温度は服装で調整するのがアウトドア「の基本」だ。





【検証結果】

ウェザーマスター・トリオドームでの使用は外気温プラス12℃前後。

1〜2泊に10Lサイズの携行缶は要らない。積載や給油時に苦労するので5Lくらいで十分だろう。

撤収時にタンクの灯油抜きなんてしたくないので残時間を考えて給油する。

タンク満タンで約11時間燃焼。私は寝るのが比較的早いので夕方から21:00頃までの4時間と朝の2時間で計6時間。

撤収日前日の夜にタンク1/2以下にしておけばOKだ。







【考察】

まだ使い始めたばかりだが結果には十分満足できた。

豚汁もまめ餅も美味かったし、前日に購入して冷えきったロールパンも乗せるだけで簡単に温められる。

と、まぁどんなストーブでもテント前室内で使うなら性能的にはなんら問題ないのだろう。

あのストーブが良いとかこれはダメとかではなく、要は各々の使い方の問題だ。


ひたすら暖かくしたいのならテントはより小さく。

テントが大きいなら自分が求める温度になるまで熱源を増やすしかない。

一般的な2ルームで石油ストーブを使用するとだいたい8℃前後の上昇が見込めるらしい。

2ルームとは言えない小ぶりなトリオドームで12℃。

その先を狙いたいなら石油ストーブ2台体制か薪ストーブか。



我が家はこのトヨトミストーブでしばらく冬キャンプを楽しめるだろう。

なんてコトはないただのストーブ使用レポだが

朝起きて10秒で点火。1分で暖まれるお手軽さは最高。


たった1万円のストーブが冬キャン時における我が家の主役級に躍り出た佳き日となった。






さらに詳しく知りたい方は下記の記事へ。笑

【zero21keiさんの記事】
灯油ストーブの灯油の運搬。ガソリン携帯缶。

アウトドアで「家庭用石油ストーブ」を運用する方法。トヨトミ「RS-H29」


あなたにおススメの記事
関連記事